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第7回 糖質制限、その後

 >> しきい値

糖質制限食と出会ったおかげで、インスリンの自己注射導入と言うピンチを免れた私ですが、さてその後どうなったでしょう。実は今現在も糖質制限食は摂り続けています。しかし、その間には再びインスリン自己注射の憂き目を見そうになるピンチがあったのです。糖質制限食を食べていたのにいったいどうして!?

糖質制限食のおかげで血液検査の結果が大きく改善したころの私は身長174センチ、体重は73キロぐらいでした。高校生の頃には176センチあった身長も50歳の声を聴くころには2センチ近く縮んじゃうと言うのはちょっと物悲しくもありますね。それはさておき、もうインスリン注射は考えなくても良いでしょうと言う診断を貰ってから一年ぐらいは特段の変化はありませんでした。しかし、一年を過ぎたころ、急にHbA1cが7%台に跳ね上がったのです。原因は判りませんでした。医師も「多少悪化しましたが、まだそれほどひどくないので薬を増やしておきましょう。」と、さほど気に留める様子もありませんでした。

実はその原因は肥満だったのです。もともと普通体重の上限近くの体型でしたので、多少太ったぐらいでは外見上それほど変化がなかったのですね。糖質制限食を摂り始めてからは、特にいい結果が得られるようになってからはカロリーのことを意識することはなくなりました。糖質量の多寡を常に睨んではいるものの、カロリーについてはとんと無頓着になっていたのです。

単に別の方法で効果が得られたからと言うだけではなく、やはりカロリー制限がストレスになっていたのでしょうね。それを気にせずとも良くなったということで少しずつ食べる量が増えていたようです。他の糖尿病患者さんに叱られるかもしれませんが、生活習慣病である2型糖尿病にかかる人は、こと食べ物に関して自分に甘いのだとも感じます。ですから、知らず知らずのうちに「このぐらいなら」と食べる量が増えて行ったのでしょう。

今から何年か前にDPP-4阻害薬(投与を受けた商品名:ジャヌビア)が発売された際にはそれも処方されました。しかし、検査数値は徐々に徐々に悪化を続け、今年(2013年)のゴールデンウィーク明けに受診した際には

空腹時血糖値:281mg/dl
HbA1c(NGSP):9.6%

と言う、元の木阿弥状態になっていたのです。経口血糖降下薬もSU剤(アマリール1mg錠 3錠/日)、BG剤(メトグルコ250mg錠 6錠/日)、DPP-4阻害薬(ジャヌビア50mg錠 1錠/日)と、結構たくさん処方されていました。

流石にこの頃には体重が85.1kg、BMIにして28.1と、かなり太ったなと自分でも気になっていたので、少し食べる量を意識し、体も軽く動かすようにし始めました。同じことはドクターも思われたのでしょう、その5月の受診の際の血液検査でインスリンの分泌量を見るC-ペプチドの検査項目を追加されていたようです。一般的な検査項目は当日に仮検査結果が出るのですが、C-ペプチドのようなちょっと専門的なものは数日かかるようで、次の受信日までその数値は判りませんでした。

8週間後の7月上旬、次の受診日が来ました。体重は2.1kg減って83kg、BMIは27.4となりましたが、血液検査の結果数値は全く変わりません。空腹時血糖は少し下がったものの、1〜2か月間の血糖値の変動を示すと言うHbA1cは9.6%のままです。

ドクターは今回と前回の検査結果を見ながら、「インスリンはちゃんと出ているようですね。」と、C-ペプチドの値が1.9ng/mlと基準内のしかも高めであったことを指して言われました。

インスリンが出ていて血糖値が上がるということはインスリン抵抗性が発現しているということにほかなりません。インスリン抵抗性は肥満が原因になることが多いものです。そこでドクター「前回より2キロほど体重を減らしたんですけど効果はなかったみたいですね。」と尋ねました。するとドクターから大きなポイントになるお返事が返ってきたのです。

と言うことで、その辺りは次回にお話ししましょう。

次章:しきい値

 
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改版内容日付
△0初版公開2013-10-28
△1改版リスト追記2013-11-18