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第13回 代替食品

 >> 糖尿病を治すには

今回は少々視点を変えて、ダイエットに付き物と言っても良い代替食品について考えます。世間に出回っているさまざまな代替食品は、基本的にカロリーや糖質を抑えることを目的にしたものが多いですね。皆さんの身の回りにもたくさんあるでしょう。

たとえばこのサイトの左側に出ている「やさしい時間」というお店では小麦粉の代わりに大豆粉を使ったロールパンを通販しておられます。普通に街で売っている小麦粉のロールパンと比較した場合、カロリーはほとんど一緒ですが、糖質量は92%もカットされ、ほんの8%程度しか含まれていないようです。ですのでカーボカウントや糖質制限に適した食品を探している人には人気があるのでしょう。

ダイエット食品で有名な、こんにゃく製品を作っておられるメーカーさんでは、こんにゃくを応用したお米の代替食品を作っておられます。この右側の宣伝欄に示されたものがそうです。この商品はお米の一部をこのこんにゃく製品と置き換えることでカロリーと糖質を減らし食物繊維を増やすという効果を狙っておられるようです。

こうした「変わった食べ物」については否定的な見解を持つ人は少ないようですね。低カロリー化を目指して小麦製品をおからで置き換えたりすることは割合一般的だからじゃないかと思います。実際には低カロリー化じゃなくて低糖質化なんですが、おからにグルテンと卵を入れて作るピザ生地などはかなり一般的なんじゃないでしょうか。

一方、素材や調味料では代替食品は嫌われる傾向にあります。

特に目立つのはやはり何と言っても甘味料でしょう。でも実際のところ、美容のための減量が目的なら砂糖を減らすことにそれほど意味はないんじゃないかと思います。一例をあげましょう。とあるメーカーのシュークリームです。

カロリーは1個268kcal、含まれる炭水化物が18.4gです。1gが4kcalですので、73.6kcalが炭水化物に由来しています。このうち、皮やカスタードクリームに使われている小麦粉によるものと砂糖による物の比率は判りませんが、たとえ炭水化物をゼロにしたとしても減らせるカロリーは全体の3割に届きません。おそらく砂糖の分だけだと2割少々じゃないかと思います。それなら毎日1個食べるところを4日に1回は食べずに我慢する方が合計カロリー数は抑えられますよね。

一方、食後高血糖を抑えたいという考え方であれば話は変わってきます。炭水化物総量で18.4gと言うのはそれほど多い糖質ではありませんが、それでも一日の食事全体を考えた場合、これは食べない方が良いと言えるでしょう。

そこで登場してくるのがゼロカロリー甘味料です。甘味料にもさまざまな種類の物がありますが基本的にカロリーがゼロと表示されるものは血糖値の上昇を招かないそうです。現在私たちが入手しやすいゼロカロリー甘味料は自然にも存在する糖アルコールの低甘味度甘味料エリスリトールを基材に、高甘味度甘味料で味を調整した物が多いようです。エリスリトール以外の糖アルコールや還元麦芽糖などはカロリーもあり、血糖値も上昇させるので今回は措きましょう。問題は味を調整する高甘味度甘味料ですね。

これにも天然由来の物、合成された物があります。羅漢果エキスや甘草は天然由来の高甘味度甘味料ですね。独特のクセがあるので好みが分かれるようですが結構使われています。また化学合成の物としてはアセスルファムカリウム、アスパルテーム、スクラロースなどがあります。いずれも砂糖の数百倍の甘味を持つため、ごく少量を基材になるエリスリトールに混ぜ込んで甘味を調整しています。

この中でも特に甘味の質が好まれているのがスクラロースでしょう。砂糖の600倍の甘さを持っていますが、合成の出発原料が砂糖なので、砂糖の甘味を特に好む日本人の口によく合うようです。私もいろいろな甘味料を試しましたが、エリスリトール基材+高甘味度甘味料のスクラロースと言うのがベストだと思います。結構高価なので、このサイトの左側に広告を載せて頂いている大豆パンのお店で業務用の物を通販されているのを買ってます。

その合成甘味料の是非は様々なシーンで話題に上ります。実際の安全性や危険性と言うのは正直判りません。一つ言えるのは、砂糖を豊富に作ることのできる現在の世の中では特別の目的がない限り砂糖を使っておくのがベストじゃないかと思うって言うことです。

砂糖は非常に溶解度の高い化学物質で例えばジャムを作る時に果物と同じ量以上の砂糖を入れて作るのですが、何の問題もなく溶けるのみならず、細菌の繁殖に必要な水分を砂糖が吸収して抱え込んでしまうので防腐剤としても働いてくれるスグレモノです。これはなかなか他の甘味料にはまねのできない芸当です。

一方で虫歯の原因にはなりやすいため、代わりにキシリトールやエリスリトールと言った糖アルコールが歯磨きのペーストなどに使われているのです。

さて、では甘味料を使うことの是非ですが、私は糖尿病の治療としてのダイエットに用いるのはアリだと考えています。もちろんゼロカロリーの甘味料を使ったからと言ってそうした物をバカスカ食べていたのでは他の原料由来のカロリーや糖質で糖尿病を悪化させてしまいます。ですから、あくまで糖尿病のコントロールをきっちり行う上での補助として、たまに食べる甘い物や、調理の際に酢かどを取ったりする目的で使うのには良いと思います。人工甘味料にはリスクがあるかもしれませんが、糖尿病患者にとっては砂糖もリスクを伴う化学物質です。なので、上手に利用すればこれはこれでOKなんじゃないでしょうか。

そう言えば、私と同年代以上の方々には懐かしい名前でしょう、人工甘味料「チクロ」。日本では大阪万博のあった70年ごろに発がん性の問題で使用が禁止されましたが、中国では普通に使えています。だから中国へ行った時、うっかり現地のスーパーでお惣菜なんかを買うとチクロがたっぷり入ってたりするんですよね。中国語では「甜蜜素」と書きますので、中国土産なんかを貰ったらチェックして見て下さい。(笑)

また一度は禁止された物の、大手企業が推薦した新しい研究成果とやらでカナダやヨーロッパでもチクロは使われているようですね。英語表記は "Cyclamate" または "Cyclo" です。チクロの魅力は人工甘味料でありながら砂糖より安価であるってことでしょうか・・・

私は甘味料のみならず食品添加物全体について肯定も否定もしない、是々非々のフラットな立場を取っています。その上で今日の考え方が皆さんが添加物などをお考えになる時の参考になれば幸いです。

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改版内容日付
△0初版公開2013-11-05
△1改版リスト追記2013-11-18