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第14回 糖尿病を治すには

 >> 糖尿病とお酒

今回の表題は少々誇大広告です。(笑) 基本的に糖尿病には「治った」と言う状況がありません。ごく初期の段階でインスリン注射を行い強制的に膵臓を回復させる手法や、膵島移植(1型糖尿病用だそうですが)などの特別な例がないわけではありませんが、多くの場合糖尿病と言うのは罹ってしまったら不治の病で、症状が出ないようにコントロールするのが最善の策であるとお医者様たちは言います。頭の悪い私には理解できないのですが、薬を使わず血糖値のコントロールが完全にできている状況と完治した状況との違いがあるのでしょうか。野放図な生活をして再び糖尿病の症状が出ることは、プロに言わせると「悪化」であって「再発」ではないそうです。

まあ、糖尿持ちにとって「完治」でも「完全なコントロール」でも、名前はどうでも良いわけで要するに合併症などが現れなければ現象としては同じことですよね。そして、これがポイントなのですが低糖質で無理のないPFCバランス、良好な体型を維持できる運動と食事の習慣が身に付き、一々管理しなくてもそれが自然にできる「生活習慣」となれば、生活習慣病である2型糖尿病は治ったも同然ですよね。病気は完治しなくても生活習慣は完治しているわけですから。

今回自分の体で実験してみて、これまで15年間の集大成として得られた答えは、ばかばかしいほど当たり前の内容でした。
  • 糖質の摂取量を抑える
    • 極度に高いHbA1cなどを改善させるために、一時的に厳しい糖質制限はOKだと思います。
    • HbA1cが7%未満になったら、絶対それを超えないように注意しつついわゆる地中海式ダイエットやGI/GL値に留意した生活習慣を身につける、すなわち、医療レベルじゃなく糖質の摂りすぎに注意しましょう程度の糖質制限を身につけるのが実際的で良いと思います。どちらの方法もネットで検索すれば出てきますが、機会があればこのサイトでも紹介できると良いなって思ってます。
    • 超概算でざっくりした数字ですが、今血糖関係の数値が正常化した私は、今後カロリーベースで炭水化物の摂取量を50%程度になるようにしようと考えています。そのうち糖質は絶対量で90〜100グラム程度に抑えるつもりです。1日2000kcalの食事として、糖質100グラムを含んで炭水化物を250〜300グラムぐらい、脂質を45〜60グラムぐらい、たんぱく質を65〜135グラムぐらいの食生活を考えています。
      PFCバランスで言うとP:F:C=3:2:5 〜 1.3:2.7:6の範囲ですね。かなりバラつきがありますが、食べ物とはすなわち生き物ですので工業製品を食べるように均一化はできません。こんな範囲で良いと思いますし、一番重要なのは炭水化物に占める糖質の割合を30〜40%に減らすと言うことなので、それさえ出来ていれば問題はないと思います。
  • 体重を適正に保つ
    • BMIは22.0を標準とし、振り幅の安全率を見て20〜23の範囲に収める。BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))。BMIが18.5を切ったら脂肪やたんぱく質で摂取熱量を上げて適正体重まで太るようにする。
    • 体脂肪率も適正に保つ。少なけりゃ良いってものでもありません。万が一の重病や事故などで体脂肪率が低すぎて手術ができないなんて話もあるようですからね。せっかく糖尿病になったんですから他は健康第一で行きましょう。
      • 男性30歳未満:15%〜19%
      • 男性30歳以上:18%〜22%
      • 女性30歳未満:18%〜23%
      • 女性30歳以上:21%〜26%
  • 運動量を確保する
    • 特別な運動をしなくても、循環器その他に異常がなければ、普通の生活の中で寝たり座ったりしていない時間を一日に6時間以上確保する。ストレッチやウォーキングは時間が取れる時に積極的に行う。
  • 一生続けられる方法を見つける
    • どうせ死ぬまで縁のある身体なので、何があっても続けると言う意思を持つ。
  • たばこは吸わない・酒は飲まない
    • たばこについては問答無用としても、酒も蒸留酒だったらOKとか赤ワインは大丈夫なんて考え方もあるようですが、これは経験則的に止めた方が良いと考えてます。この次は、お酒は糖尿病患者は飲まない方が良いと言うことについて触れてみようかと思います。
これが秘訣かよって言うほど、あまりにも当たり前のことしか書いてないですよね。でもこれが真実だと思います。そして、意外なほどこれって出来ていない人が多いから糖尿病患者が激増したのだろうとも思いますね。ポイントは体重の適正化と適正な糖質量の摂取を同時に行うことです。私は初期のころに盲目的に医師の言うことを信じてカロリー制限をして適正体重だけをキープしたため、糖質の摂りすぎで完全に糖尿病を悪化させたのだと思います。

一方、二度めの悪化は適正な糖質摂取を行っていたにもかかわらず体重のコントロールが不良だったためにインスリン抵抗性を発現させてしまいました。つまり、この二つは同時に行うべきものなのです。糖尿病の治療はカロリー制限でやらなくてはいけないなんて言うのは単なる思考停止です。それに太っていない、むしろやせ形でありながら2型の糖尿病を持つ人も少なくありません。その人たちにはどのような指導をしているのでしょうね。

糖質さえ制限しておけばどれだけ食べてもいいなんてのは、もともと食べ物に関して自分に甘い糖尿病患者に対する文字通りの「殺し文句」です。そして、糖質を仙人なみに制限するなんてのは一生できるもんじゃありません。たまにはケーキも食べたいし、ご飯やうどんだって一生食えないとなると糖尿病で死んだって良いやって言う気持ちにもなります。

カロリー制限もそうですが、巷で大流行りの糖質制限も相手が人間であることを忘れているところがその限界なのだと思います。一時的にやるのならともかく、一生続けるのならそれに見合った方法を見つけるのが良いでしょうね。

基本的に痩せてようが太ってようが、適切なカロリーを摂って適切な体重の範囲に収めるのが健康の基本です。そうすれば太った人は痩せるし痩せた人は太ります。もちろん体質ごとにその遅い早いはあるにせよ、カロリー計算を間違っていなければ、必ずそうなりますし、そうならない場合は他の病気のチェックをした方が良いんじゃないでしょうか。

そして繰り返しになりますが糖質を抑えることです。仙人の修行のようなことをする必要はないと思いますが、もっとも簡単なのは穀類とイモなどを排し、その分を野菜で摂ることです。・・・財布にはちょっと厳しいですけど、糖尿病の薬代だと思えば多分安上がりだと思いますよ。1袋200g入り29円のもやしだって立派に野菜なんですから。

いずれにせよ2型糖尿病は生活習慣病です。生活習慣は十人十色千差万別、従って画一的な方法なんてありっこないのです。ですからカロリー制限も糖質制限も禁酒禁煙も運動療法も全てが手段です。自分に合った物を見つけた人勝ちだと思いますよ。

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改版内容日付
△0初版公開2013-11-06
△1改版リスト追記2013-11-18