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第17回 メタボリックシンドローム

 >> 健康に良い油の摂り方1


今回のタイトル、メタボリックシンドロームは「メタボ」の略語としてすっかり定着した感がありますね。とは言え、どうやら肥満体のことを揶揄するための言葉としてテレビ番組などで使われているのを見るとちょっとどうかなって思います。

メタボリックと言うのは「代謝」のことです。新陳代謝も含まれますね。ですから、メタボリックシンドロームと言うのは「代謝症候群」と言うことになります。

世間ではいろいろ言われていますが、実はメタボリックシンドロームの確たる定義は世界的に存在するものではなく、それぞれの地域の医学会などが定義づけを行っているものの、まだ確定するところにまでは至ってないようです。それでも、大ざっぱに言えば
  • 内臓脂肪型肥満 であることを土台にして
    • 高血糖
    • 高血圧
    • 脂質異常
      のうち二つが当てはまればメタボだということらしいです。
定義付けはあいまいながら、糖尿病患者にとってはかなりの確率で縁のある病態だと思いませんか。

ただ、幸いなことに私自身は血圧と脂質については特に問題がなかったのでメタボリックシンドロームと言われるには微妙に条件が整っていなかったようですね。そして、今回の糖質+カロリーの同時制限で体重も血糖も正常化したので、少なくとも今のところはメタボマンからは遠ざかれたようです。

さて、おなじみの高血糖以外の二つ、高血圧と脂質異常ですが、高血圧の方はあまり理解しがたいものではありませんね。血圧が高くなっちゃっている状態のことです。もちろんその原因や治療になると決して簡単なものではありませんが、基本は運動と食事療法による体重の適正化とナトリウム制限だと聞いています。

一方で脂質異常症はちょっと解り難いですよね。もとは四つのファクターがあったようですが、今では三つに絞られて評価されています。
  • 中性脂肪が多すぎる
  • 高比重リボ蛋白(HDL:いわゆる善玉コレステロール)が少なすぎる
  • 低比重リボ蛋白(LDL:いわゆる悪玉コレステロール)が多すぎる
の三つのうちひとつでも当てはまれば脂質異常と言われるようです。かつては高脂血症と呼ばれていた物ですが、HDLについては少ないほうが問題なので病名が変わったようですね。

私がいつも見てもらっているドクターによると、高血圧も脂質異常も、糖尿病患者の場合割合簡単に起こしやすいので注意が必要なんだそうです。もともと高血糖で血管の壁がもろくなってるところに血圧が高くなったりしたらイチコロですよと脅してくれます。まぁ、実際その通りだろうなとは思いますけど・・・

また、脂質異常も心疾患や動脈硬化の原因になるなど、糖尿病患者にとってはかなりヤバいものだということなのでこれまた物騒ですよねぇ。

ドクターによると、太っていて血糖値が高い状態が15年も続いていたのに脂質異常についてはあまり問題がなかったと言うのはやはり食生活が原因だろうということです。

ドクターによると、
  • 中性脂肪は糖質とアルコールを減らせば下げられる。
  • HDLコレステロールは運動と禁煙以外では増やせない。
  • LDLコレステロールは飽和脂肪酸を減らせば下げられる。
と言う風に単純化して考えるのがベストだそうです。特にアルコールについては微量の摂取なら脂質異常に良い方向で働く可能性があるものの、現実的ではないのでそうしたエビデンスは無視すべきだということでしたね。

私は糖尿対策として糖質制限を行ってきましたが、それが結果的に中性脂肪を減らすのに一役かっていたようです。また、運動不足は否めませんが2001年には禁煙しました。それに今回の糖質+カロリー制限を行うにあたって筋肉量の減少を抑えるため少し運動をするようにしたせいか、この数か月でHDLの値が増加しています。

以前にも書いた通り、オリーブオイルソムリエの資格を持っている関係上、オリーブオイルを多用します。オリーブオイルをかけて食べたいという理由で、肉はもも肉など脂身の少ないところを選んでいたのがLDLを減らすのに役立っていたようです。

このように全くの幸運でしかないのですが、私の生活スタイルが致命的な病気をもたらす一歩手前で踏ん張らせてくれていたようです。特に油の摂り方については栄養士の先生もドクターも「『摂る量以外は』大変好ましい」とおっしゃって下さいました。(笑)

と言うことで、次回は油について少しお話ししましょう。


次章:健康に良い油の摂り方

 
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改版内容日付
△0初版公開2013-11-18