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第18回 健康に良い油の摂り方1

 >> 健康に良い油の摂り方2


今回は油の話です。一応、私はオリーブオイルソムリエ資格を持っていますので、今回は皆さんにアドバイスの形でお話しします。しかしそれでも健康維持や病気に治療と言った目的でこの話を利用される場合は実践に移される前に専門家である栄養士さんやお医者さんと相談のうえで実行して下さいね。

さて、三大栄養素のうち一番熱量が多いのでダイエットの敵のように思われていますが、実は油=脂質も大変重要な栄養素なのです。よく植物性油は健康に良いが動物性脂は健康に悪いとか、飽和脂肪酸が体に悪くて不飽和脂肪酸が体に良いと言うような二元論的な食べ分けを奨める宣伝に出会いますよね。

しかし、事はそんなに簡単じゃありません。真剣に考えて食べようと思うとまるで学校のお勉強のようなことをしなくてはなりません。それはそれで毎日の生活を営む社会人には面倒なことですので、まずは具体的なものの名前で区別してみましょう。

但し、前提となる大変重要なことがあります。ここを間違うとすべてのダイエット=食事療法が台無しになりますので決して忘れないで下さい。

食用油脂は種類にかかわらず1gあたり9kcalの熱量がある。

ということです。カロリーだけに着目した場合、ラードも牛脂もオリーブオイルもシソ油も魚油も全部一緒です。植物性油がカロリーが低いなんて思いこんでる人はまだまだたくさんおられるようですが、それは大変な間違いなのです。そのことを頭に置いて頂いて
  • 食べたほうが好ましい油
    • オリーブオイル
    • 椿油
    • 高オレイン酸(ハイオレック)紅花油
    • 高オレイン酸(ハイオレック)ひまわり油

  • 食べたほうが好ましいが鮮度などの状態に注意が必要な油
    • エゴマ油
    • シソ油
    • グレープシードオイル
    • 魚油(魚として食べる場合を含みます。)

  • 食べたほうが好ましいが上の物には一歩譲る油
    • ごま油(ごまとして食べる場合を含みます)
    • 茶油/野茶油
    • 中オレイン酸(ミッドオレック)ひまわり油

  • 食べる量に特に注意が必要な油
    • 高リノール酸(ハイリノール)あるいは無表示・紅花油
    • 高リノール酸(ハイリノール)あるいは無表示・ひまわり油
    • その他の植物油
    • 豚脂・ラード(肉として食べる場合を含みます)
    • 牛脂・ヘット(肉として食べる場合を含みます)
    • 鶏油(肉として食べる場合を含みます)
    • その他動物性油脂・乳脂肪

  • できれば食べないほうが良い油
    • ココナツ油
    • パーム油
    • パームカーネル油
    • マーガリン
    • ファットスプレッド
    • ショートニング
    • その他硬化油全般

と覚えておいて下さい。硬化油とは、おもに植物性油で室温では液体の油を、人工的にバターのような半固形にして扱いを楽にしたものです。マーガリンがその代表格です。私が子供の頃は魚油が原料のこともありました、給食のマーガリンは結構嫌なにおいがしたんですよね、今となっては懐かしさもありますが。

さて、大ざっぱな種類分けはこんな感じですが、味や価格、使い勝手などから食べないほうが良いと言われても食べたいとか、食べたほうが良いと言われても嫌いだとかいうことはきっとあるでしょう。そこで、なぜこのような分類をしたかの根拠について順次お話ししましょう。

まず、油と言うのはどんな化学物質なのかから見てゆきます。グリセリンと言う物質があります。一番卑近な例では化粧品の保湿成分として使われています。このグリセリンには酸が結びつくことができる連結器のようなものが三つあります。そこに脂肪酸と言う酸がくっついたものが油です。一つだけとか二つだけということもありますが、ほとんどの物は三つ全部に脂肪酸がくっついています。

そして、脂肪酸がグリセリンと安定的にくっついているので中性です。と言うことでこれが中性脂肪なのです。つまり中性脂肪とは普通の油と考えてもらっても良いでしょう。よく健康に良い油だとか悪い油だとかいう性質について言われることがありますが、この性質は脂肪酸の種類によるものなのです。

今回は一旦ここで切って、次回はその脂肪酸の種類などについてお話ししましょう。いよいよ学校の勉強みたいになってきました。覚悟はよろしいですか?(笑)


次章:健康に良い油の摂り方2

 
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改版内容日付
△0初版公開2013-11-21