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第24回 正月太り

 >> 【レシピ】低糖質しみチョコ


予定されていたこととは言え、この一週間の正月休みでご多聞に漏れず私も太ってしまいました。皆さんはいかがでしたでしょう。そこで今回はこの正月太りに代表される、喰っちゃ寝による短期間での体重増加について見てみましょう。

まずは私について正月前の数値と正月明けの数値の比較です。

体重:64.20kg ⇒ 64.65kg(約450グラム増)
BMI:21.2 ⇒ 21.4
体脂肪率:16.2 ⇒ 16.7
内臓脂肪レベル:9 ⇒ 9

幸い内臓脂肪レベルは上がらずに済んだようですね。

12月28日から1月5日まで仕事はしてなかったわけですが、さすがに年末もごろごろしていると言うわけにはいかなかったので、普段より明らかに摂取カロリーが多かったのは7日間ぐらいです。その間、毎日およそ500kcalほど余計に摂っていた感じでした。概ね普段の25〜26%増しですから、毎日一食分多く食べていた感じですね。

さてこの正月太り、多いってお感じになるでしょうか、それともそんなの誤差の範囲だとお感じになるでしょうか。

よく体重の話題になる時、○kgも太っちゃったなどと言うセリフが良く出てきます。しかし実際に1kg太ると言うのは意外と大変なんですよ。脂っこくて甘いものを食べ過ぎて太るなんて話もありますが、一例をあげてみましょう。

全国チェーンで450店舗ぐらいある洋菓子屋さんの、1個105円と言うお手軽なダブルシュークリームを例に取りましょう。重さはシュークリームのことですからばらつきがあるものの、およそ100グラム見当とみておけばいいと思います。

さて、普段の食事にこのシュークリームを加えて1kg太ろうと思うと、一体いくつ必要になるかお判りでしょうか。もちろんいっぺんに10個食べれば、その瞬間には体重が1kg増加します。しかし、それは1kg太ったのではなく、1kgの重さの物が胃袋に収まっただけで、水を1リットル飲んでも同じことですよね。

このシュークリームは1個268kcalです。普段の食事にこのシュークリームを加算したとしても、268kcalがそのまま身になるわけではありません。シュークリームを冷蔵庫から出して袋を破り口に運ぶだけでも0.1kcal(適当です。(笑))ぐらいは消費してしまいます。また、消化吸収するのにもエネルギーは必要ですし、余ったカロリーを体脂肪に変換貯蔵するのにもエネルギーは消費されます。そしてなにより「食べたことによって体温が上昇する」と言う現象でも、なにがしかのエネルギーは消費されてしまうのです。

純粋な脂質のカロリーは約9kcal/gですが、人間の体脂肪のカロリーはおよそ7.2kcal/gと言われています。と言うことは、1kg太ろうと思うと7,200kcalものエネルギーを余分に摂取する必要があるのです。仮に1週間で1kg太ろうと思うと、1日当たり約1028kcal、先のシュークリームにすると毎日3.84個、食べたり太ったりするためのエネルギーを考えたら4個は食べなくてはならないことになります。

食事の量は減らさず、一日三食のデザートと三時のおやつにシュークリームを一週間食べ続けてやっと体重が1kg増えるということですね。それでもシュークリームは脂質や糖質が多いので効率的に太れますし、甘党の人なら一日4個のシュークリームは無理ではないかもしれません。しかし、後期中年おやじの私などにはかなり高いハードルですね。(笑)

これが洋菓子のような効率的なカロリーを持つものではなく、一般的な食事であればなおさら摂るのは大変で、三枚肉のチャーシューが入った背脂たっぷりのラーメンを毎日余分に食べるって感じでしょうか。若者ならいざ知らずってところですが、代謝の高い若者の場合、消費するカロリーも多いためさらに多くの食料が必要になります。

ということで、よくお正月で3キロ太ったなどと言うセリフを聞きますが、ほとんどの場合それは太ったのではなく体重が増えただけだろうと思います。仮に、普段の生活で2,500kcalの食事を摂っている人が一週間の正月休みで3キロ太ろうと思うと、毎日5,500kcalの食事を摂り続けなくてはなりません。戦時の軍隊並みですよね。

ですので、たいていの場合それは水分の摂り過ぎと排泄の悪さに起因する浮腫などで一時的に体重が増加しているのだと思います。ただ、おせち料理に代表される正月のごちそうは保存性の問題などから塩分が多めなんですよね。塩分の多い食事を摂り続けることで体内のナトリウム濃度が上がると、浸透圧を一定に保とうとして体の中の水分量が増加します。現象としてはそれが浮腫(むくみ)になるわけですが、むくみを意識するほどではなくても体重の1キロや2キロはすぐに増えてしまいます。

ですので、取り敢えず体重の異常な増加があった時は、まず塩分の摂取量をうんと絞りましょう。この塩分にはうま味調味料などのナトリウム塩も含みます。薄味でうま味調味料も控えて野菜中心の食事を摂り、体を冷やさないよう注意してたっぷり睡眠をとれば、水分に起因する体重増加はすぐに解消します。

最近の体重計には体水分率を測定できるものもあるようですが、女性で45〜60%、男性で55〜65%で、それを超えている場合ちょっと水分オーバーだとメーカーは案内しています。私の場合概ね58〜59%ですね。

水分量が適正範囲に落ち着いたのに体重の増加分が完全には解消されていない場合、それは純粋に太った可能性があります。ダイエットに励んで下さい。ただ、減らす時も先の計算と同じで、体重100グラム当たり720kcalを減らす必要がありますので、じっくり時間をかけて健康を害さないように注意して下さいね。

【レシピ】低糖質しみチョコ

 
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改版内容日付
△0初版公開2014-01-06